私は男性用の時計を着けないので、着け心地の話はしません。見え方の話だけします。

値段は、思っているほど伝わっていません

いちばん言いにくいことから書きます。

時計に興味のない人にとって、ロレックスはロレックスです。デイトナもサブマリーナもデイトジャストも、区別はついていません。「なんかロレックスっぽい」で終わります。

500万円の時計を着けていても、その値段が伝わる相手はかなり限られている。

これは悪口ではなくて、事実として押さえておいたほうがいいと思うんです。逆に言うと、伝わる相手にはものすごく伝わります。だから「誰に見せたいのか」で評価が変わる時計だと思っています。

男性の時計の話は、女性の美容の話に近い

私はこの構造を、美容の話に例えて理解しています。

美容に興味のある男性には、スキンケアの話は素敵に映ると思います。でも興味のない男性は、自分事として聞いていない。「この人はそういうのが好きなんだな」とは思うけれど、自分の趣味だとは感じない。

時計も同じです。好きな人には刺さる。興味のない人には、丁寧に説明されても自分事にならない。否定しているのではなくて、そういうものだという話です。

だから時計の話をするときは、相手が同じ土俵にいるかどうかを見たほうがいいと思います。土俵が違う相手に価格の話をしても、伝わらないまま終わります。

見た目として、いま格好いいのは小さいほうです

これは体感ではなく、美意識としての主張です。

数年前まで、大きい時計は「強そう」に見えていたと思います。今は逆で、手首から浮いて見える。私の目には、40mmを超えたあたりから時計が主役になりすぎているように映ります。

ルイさんが今季のテーラリングは細身に振れていると書いていました。服が細くなっているのに手元だけ大きいと、そこだけ時代がずれて見えます。ルイさんは寸法の話として書いていて、私は見た目の話として書いていますが、結論は同じところに来ていると思います。

エクスプローラー36のラグトゥラグは43.0mm。デイトナやサブマリーナの47.6mmより4.6mm短い。数字で見ると小さな差ですが、手首の上ではかなり違って見えます。

ただし、これは限られた層の感覚です

ここは正直に断っておきたいのですが、小径が良いと感じるのは時計やファッションに関心がある層の話です。

関心のない層は、いまも大きいほうが良いと感じています。「立派に見える」「高そうに見える」という反応は、まだそちらが多数派です。

つまりこういうことになります。

好み
時計・ファッションに関心がある 小径。上品に着けている人がおしゃれに見える
関心がない いまも大きいほうが良いと感じる

小径が今っぽいというのは、先端の感覚です。それを多数派の感覚だと思って書くと嘘になるので、分けて書いておきます。

好感度で言うと、実は中間くらい

初対面で好印象なのは、意外と主張しすぎない時計でした。

分かる人には「おっ」と思われる。分からない人には響かない。そして中途半端に分かる人には「頑張ったんだな」と受け取られることがある。高額なスポーツモデルは、この三つ目に落ちることがあります。

いちばん反応が良かったのは、時計そのものより腕に馴染んで見えるかどうかでした。サイズが合っていない高い時計より、サイズの合った安い時計のほうが好印象。これは何度か見ています。

私の結論

高い時計は、自分のために着けるものだと思います。

他人に見せるための時計としては、正直コストパフォーマンスが悪い。伝わる相手が限られているので。でも「自分が好きだから着ける」なら、これ以上の対象はなかなかないと思います。

理由が「周りにどう見られるか」なら、たぶん期待したほど見られていません。そこは正直に言っておきたいです。


※ 本記事の内容は私の観測範囲に基づくもので、一般的な傾向を示すものではありません。 ※ 寸法はメーカー公表値および各社の実測値に基づきます。