時計を手放すとき、買取と委託のどちらを選ぶかで手取りが変わります。よく「委託のほうが高い」と言われますが、条件次第で逆転します。

委託販売の手数料相場

日本の時計専門店が公表している委託手数料です。

事業者 手数料
CREA FERVEUR 2.5%〜
TIME GRACE 2.8%
GLINT 3%〜
AXIS WATCH 5%
TICK 7%
RAISING TIME 5〜10%

2.5〜10%がレンジです。ブランド品全般の委託だと15〜20%を取るところもありますが、時計に限れば相場はもっと低い。

買取と並べてみる

ロレックスの買取率は86.0%です。つまり販売価格の86%が手元に残る。

委託の場合、販売価格から手数料を引いた額が手元に残ります。手数料7%なら93%です。

手元に残る割合 期間
買取 86% 即日〜3営業日
委託(手数料7%) 93% 60〜90日
委託(手数料3%) 97% 60〜90日

数字だけ見れば委託が有利です。100万円の時計なら7万円から11万円の差になります。

ただし前提が2つあります

前提1:委託の「販売価格」で本当に売れるか

委託は売れるまで手取りが確定しません。想定していた価格で売れなければ、値下げするか、いつまでも売れないままになります。

買取は確定です。3営業日で入金され、その後の相場が下がろうが関係ない。

この差は、相場が動いている局面ほど効きます。

前提2:60〜90日待てるか

委託は時間がかかります。急いで現金化したい理由があるなら、その時点で選択肢から外れます。

「7万円多くもらうために3ヶ月待つか」は、金額と事情のバランスで決まる話です。

委託が明確に有利なケース

流動性の高い人気型番なら、委託が有利になりやすい。デイトナやサブマリーナのように買い手が厚いものは、想定価格で売れる確率が高く、待つリスクが小さいからです。

逆に、流動性の低い型番を委託に出すのは危険です。売れないまま何ヶ月も預けたあげく、結局値下げすることになります。それなら最初から買取で確定させたほうがいい。

買取が明確に有利なケース

相場が下落局面にあるとき、急いで現金が必要なとき、そして型番の流動性が低いとき。

このいずれかに当てはまるなら、手数料の差より確定していることの価値が上回ります。

私はこう見ている

手数料率だけを比べて委託を選ぶのは、判断としては浅いと思っています。

見るべきは「その型番が、想定した価格で、想定した期間で売れるか」です。それが読める型番なら委託、読めない型番なら買取。手数料の3%や7%より、売れるか売れないかのほうが金額へのインパクトが大きい。

そして委託を選ぶなら、手数料が何%かより、どこに売ってくれるのかを確認したほうがいい。業者オークションに流すだけなら卸値になりますし、小売価格で売ってくれるなら手数料が高くても手取りは増えます。手数料率は入口の数字であって、出口の数字ではありません。


※ 委託手数料は各社が公表している数値です。品目・価格帯により異なる場合があります。 ※ 買取率はGINZA RASINが公表した2022年時点の数値です。 ※ 本記事の金額はすべて参考です。